PROJECT STORYJR目黒MARCビル
開発ストーリー

VISIONJEBLのビジョンと取組み

2022年3月に竣工した「JR目黒MARCビル」は、JEBLが自信を持って提供する自社開発物件の第2弾です。
このビルが単なる建築物以上の価値を有する理由は、2005年のJEBL設立からの歴史と経験によって培われた
「お客さまの声」や「ノウハウ」、さらには経営指針である「お客さま第一」の考え方にあります。
JEBLは、プロパティマネジメント事業での多角的なプロセス、「営業」「運営」「工事」などを通じて得た
「お客さまの声」を受け、顧客ニーズの理解に務めてきました。
この強みを活かして、JR東日本の大規模開発プロジェクトに参画するだけでなく、自社での物件開発も積極的に行っており、
「JR目黒MARCビル」は、これらの要素を融合させた独自の開発です。
このコンテンツでは、JEBLが「JR目黒MARCビル」の開発で具現化した「お客さま第一」の姿勢と取組みについて詳しくご紹介します。

MEMBERこのプロジェクトを支えたメンバー

さまざまな役割と経歴をもつメンバーがプロジェクトを推進しました。

OVERVIEW開発概要

このプロジェクトは、JR目黒駅と五反田駅の中間、便利かつ静かなロケーションに広がる約2万㎡(約19,370㎡)の敷地にオフィス棟「JR目黒MARCビル」、賃貸住宅棟および分譲住宅棟の3棟で構成された複合型のまちづくりです。
2020年5月のオフィス棟の着工を皮切りに、コロナ禍などさまざまな状況を経ながらもプロジェクトは進行し、2022年3月にJEBLが推進した「JR目黒MARCビル」が先行して竣工を迎え、多くのテナントとその社員、訪問者に快適な空間と心豊かな時間を提供しています。その後、他事業者による賃貸住宅棟が2022年10月、分譲住宅棟が2023年10月に、それぞれ竣工し、2023年12月にまちびらきとなりました。

JEBLのこだわりと独自性

「JR目黒MARCビル」では、JEBLの「お客さま第一」の観点と、これまでに得た「お客さまの声:顧客ニーズ」を最も色濃く反映させ、一歩先を行くビルづくりをめざしました。革新的なオフィス空間や、ビル利用者に多様な価値を提供することはもちろんのこと、地域社会との調和も考慮に入れるなど、JEBLが長年にわたってプロパティマネジメント事業で培ってきたノウハウや、お客さまの声を開発へフィードバックすることで実現しました。

INDEX目次

立地特性を活かした設計

利便性とビルの品格

MEGURO MARCはJR目黒駅と五反田駅の中間に位置し、品川区とのまちづくりにおける協定では、立地を活かし、住宅や商業などの機能と調和したエリアの形成を行うこととしました。
敷地面積が限られる駅至近の大規模開発ビルとは異なり、JR目黒MARCビルは、駅直結・駅至近にないという立地であるものの、広大な開発敷地を活かし1階のオフィスエントランス横に車寄せを配置しました。

これにより、テナントの利便性を高めるとともに、ビル自体の品格も確保しています。

さらに、敷地の広さを活かして、地下には多数の駐車台数を確保。高速道路の出入り口に近いため、車を頻繁に利用するテナントも受け入れられるようにしました。

多機能性とコスト効率を兼ね備えた共用空間

「JEBL秋葉原スクエア」の最上階スカイラウンジ

「JEBL秋葉原スクエア」での経験と「お客さまの声」

2016年に竣工した初の自社開発物件「JEBL秋葉原スクエア」の最上階には、テナント専用のスカイラウンジを設置しました。このスカイラウンジには、水栓付流し台がついたハイカウンターを備えており、会議や懇親会のスペースとして利用可能です。また、窓を開放すれば屋上テラスとの一体的な活用も可能です。

利用実績を分析すると、その高い利用率と、ランチ、休憩、研修、パーティなど多目的に利用されていることがわかりました。

実際、テナントからは「昼食や休憩のほか、業務の打ち合わせや懇親会の貸切利用など、幅広く利用できる。見晴らしも良く、館内に気分転換ができる場所があるのはありがたい」というお声を頂いています。また、テナント各社にお集まりいただく協議会等をスカイラウンジで実施することで、各社の移動の手間を省けるほか、場所利用料のコスト削減にもなり、効率的なビル運営につながっています。この成功を受けて、JR目黒MARCビルにもオフィスワーカー専用ラウンジを設置しました。現在、ランチや休憩、集中作業など多くのテナント社員にご利用いただき好評です。

こうした共用部は、心にゆとりと潤いを与え、これからの時代にふさわしい働き方を可能にする場所となり、企業誘致とテナント満足度向上を実現するほか、通常テナントが自社オフィス内に設置するラウンジを共用部に設置することにより、賃料コスト圧縮にも寄与できます。

自由と効率性、従業員満足度を高めるオフィス空間

高品質なオフィス空間の提供

「JR目黒MARCビル」のオフィス空間は、600坪の大空間を無柱で提供することにより、自由で効率的なレイアウトが可能になりました。

昨今、テナントのオフィス空間への内装造作は、テナントの採用活動や従業員満足度向上の観点から、その企業の象徴ともいえる造りこみの依頼を多く受けています。

また、働き方改革やABW※(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の浸透により、レイアウト変更工事も増加しています。可変性のある空間を提供することによって、顧客の工事コスト圧縮やテナントの希望する空間の実現が容易です。

※ABW:働く場所や時間を、それぞれの仕事に合わせて自由に選べる働き方

周辺地域に溶け込む外装デザインとランドスケープ

地域の特色を活かした設計、「職と住のまち」ならではのこだわり

JEBL秋葉原スクエアでは、江戸時代に瓦と土の縞模様が美しい練塀の武家屋敷があったことから、練塀の特徴である水平ラインを際立たせたモダンなデザインを採用しています。一方で、JR目黒MARCビルは、江戸時代には目黒川河岸を見下ろす富士三十六景にも描かれるほど歴史的な魅力のある高台の景勝地に、現在も段丘に緑が多く残る五反田の森にふさわしい縦協調の外装とし、趣や柔らかさを感じるアースカラーの素材を採用しました。

また、MEGURO MARCはオフィスと住宅が一体となった「まち」であることから、外装の取り付け角度に工夫を凝らしました。外装材のプレキャストコンクリートを、建物壁面に対して斜めに取り付けることで、隣接する住宅棟や近隣建物との視線に配慮しつつ、テナントオフィス内には豊富な採光が得られるように設計しています。

JR目黒MARCビルのBCP機能

2011年の東日本大震災以降、多くの企業がBCPの見直しを迫られ、JEBLが提供するビルに本社機能を構える多数のテナントの対応を目の当たりにしてきました。テナントからビルのBCPについて問い合わせをいただくことは多く、その重要性は計り知れません。

これらの経験を踏まえ、JR目黒MARCビルにおいても、非常時にテナントが事業継続できるようにビルスペックを特に検討し、テナントのみならず、地域の安全・安心を追求したスペックとしました。

具体的には、目黒川に寄り添いながら、15m以上ある敷地標高で、浸水の可能性が低いと認められた高台に位置する強固な地盤に、地震エネルギーを効果的に吸収する制震構造「iRDT」という高効率な粘性減衰装置を採用し、安全性能を高めています。これはJR東日本グループ理念の「究極の安全」の追求であり、JEBL秋葉原スクエアでも地震に強いビルへのニーズに応えるために、通常の高層ビルよりも高い耐震グレードを実現したJEBLとしてのこだわりをJR目黒MARCビルでも継承しています。

その他にも、複数の変電所からの電源確保と非常用系統やテナント専用部への電源供給※、上下水断絶時も3日間程度のトイレ利用を可能としました。

さらに、災害時における協定書を品川区と締結し、帰宅困難者対応や防災備蓄品の整備など、テナントだけでなく地域社会にも貢献しています。

※ 要別途工事

テナントサービスと地域貢献の多角的推進

運営の総力戦

テナントが入居後に自社食堂を開設するまで、ランチ需要を賄えない状況にありました。この状況に対応するため、他のビルで成功を収めているキッチンカーを導入し、初期段階でのランチ需要が効果的に補完されました。これはビル運営担当者間での情報共有と長年の運営実績が活かされた事例です。

キッチンカーは同テナントの自社食堂オープン後も継続利用され、バラエティ豊かなランチの提供に寄与しているほか、利用者がテナントだけでなく、地域の方々にも広がりました。これにより、多様なランチ需要に応えるとともに、地域にもポジティブな影響を与えています。

地域連携でのさらなるにぎわい創出

まちびらきを迎えたMEGURO MARCでは、2023年12月に3棟の中央に位置するGARDEN(広場)で他の事業者と連携を取り、地域のにぎわいを一層高めるまちびらきイベントを開催しました。

3棟が一体となって街区全体の環境を良好に保ち、持続的な街を創出するために、一般社団法人MEGURO MARCを立ち上げ、エリアマネジメント活動に取り組んでいます。

今後への展望 人財育成と開発勉強会

多角的な学びを提供する勉強会の実施

JEBLでは、経営指針の一つとして「人財の育成」を重視しています。そのため、自社での物件開発を教育の好機と捉え、数回にわたる開発勉強会を開催しました。この勉強会では、開発経緯から建物構造、施工概要、導線、セキュリティ、外装など、多岐にわたるテーマを施工者の協力を得て学びました。開発勉強会は、「JEBL秋葉原スクエア」でも実施しており、継続的な学びの機会を提供しています。

机上の勉強も重要ですが、大規模開発のスケール感や臨場感は現場でしか味わえません。この実地体験は、自社物件を開発するJEBLならではの特権であり、この学びが今後のプロジェクトやビル運営にも大いに活かされています。

TAKANAWA GATEWAY CITYに向けて

近年、オフィスビル運営において、管理スタッフの労働力不足やビルの大規模化に対応するため、より高度で効率的な運営が求められており、JR目黒MARCビルでは、デリバリーロボット、清掃ロボットの実証実験を実施しました。

自社開発物件での実証実験を踏まえ、既存オフィスビル運営の高度化・効率化だけでなく、2025年3月にまちびらき予定のTAKANAWA GATEWAY CITYなど、今後の新規開発にも反映させ、より良いオフィスビル運営を通じて新たな価値の創造を目指します。